生物としてのヒト:異分野から経営のアタリマエを見直す 長谷川眞理子氏③

このコラムコーナーでは、様々な識者に伺った世界観、イキイキ企業の紹介、最近の身近な変化に関する座談会記事等を掲載していきます。

第一回(3)生物としてのヒト

人類学者 長谷川眞理子氏(総合研究大学院大学 教授)

組織の変わるポイント

Q:人間の物の捉え方に何か特徴はあるのでしょうか。

人間の心理にはいくつかバイアスがかかっていて、あるものは良く見えますよね?あるものって、今そういう状態だ、これってあるのがおかしいんじゃないの?と考えるのはすごく難しい。他の見えないものは無いと思っちゃうんですね。あるものはあるんだってデフォルトにすぐなっちゃうんですよ。なので、0ベースで物を見るにはかなり意図的にしないとだめだと思いますね。

Q:組織化する事は生物学的に良くあることなんですか。

組織ってものは、自己組織化がおこります、複雑なものが相互作用すると必ず起こります。細胞、免疫系、脳もそうですが、司令塔が無いんだけど相互作用をしている中で、組織ができていく。それが生物オーガナイゼーション、自己組織化です。それは司令塔が無くて上手くいくわけです。
人間の組織はそういう自己組織化的な組織もあるけど司令塔を作りますよね。司令塔を作った場合と自己組織化でやっている組織を比較すると、大きいと自己組織化では上手くいかないので両方いい所、悪い所があるのだと思います。

Q:先生が考える健全な組織、健康な組織とはどういった組織だと思いますか。

1つは横の繋がりとか斜めのつながりとかがあることですね。単に上から、下から、ピラミッドだけじゃなくて、横とか斜めとか、ちょっと、違った線が現れるような組織ですね。それが風通しが良いということだと思います。どうしても上からの関係性だけだと、蛸壺人間になるし、何か悪いことが起こったら、その系列全部が悪くなってしまいますしね。

Q:変わるポイントが組織にもあるのでしょうか。

複雑系があるローカルのとこからあるローカルのところにレーシンググシフトで落ちるでしょ?ある人たちが、ある考え方が、ある程度以上になるととガラッと変わることが出来るからそういうターニングポイントのクリティカルな山を越えるようなことができると、凄く変わるのだと思います。

※この記事は「KAIKAスタイルマガジン 第1号」(2013年4月)より転載しています。肩書き・記事内容はインタビュー当時のものになります。

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