NECネッツエスアイ株式会社 事例にみるKAIKA経営の実践

KAIKA Awards 2014ではKAIKA賞3組織、特別賞2組織、特選紹介事例3組織を選出いたしました。
こちらのコラムでは順次事例をご紹介しています。

特選紹介事例 NECネッツエスアイ株式会社

「新入社員被災地支援ボランティアを通じた人づくり」

東日本大震災が発生した翌年2012年4月から、同社では新入社員研修の中に被災地支援ボランティア活動をプログラムとして取り入れ、2泊3日の活動を行っています。初年度は、NECグループでの支援活動を通じた現地のカウンターパートがいる宮城県南三陸町での活動から始まり、その後は、2012年11月に復興のためのコワーキング・スペース「ひまわりハウス」を設置した岩手県陸前高田市にも活動を広げ、被災地の現状を学んだ上で「今後の復興のために何か必要なのか」を議論しています。

 同社の新入社員研修は、業務の根幹である「現地」「現物」「現実」の重要性を認識する機会として大きな意味を持ちます。ボランティア現場における判断力の強化とチームカの喚起、また、現場・現地を体感しながら自身の役割を問い続けていく機会は、座学が中心であった同社の新入社員研修のあり方に大きく影響しました。

 同社は、防災情報システムや、基地局等の携帯電話網の設置・保守など、社会のネットワークインフラに大きく関わる事業を行っています。この新入社員研修は同社のCSR推進部と人事部が協力して行っているもので、自社の社会的使命を強く意識する機会をもたらすこととなりました。

 初年度は、2012年6月・7月・10月に、計101人が3班にわかれて参加し、各2泊3日で実施しました。被災地訪問、がれき撤去等のボランティア活動に加え、被災者の経験談を聞くプログラムも用意しました。翌2013年4月には2班にわかれて2泊3日で計74名が参加。1年目の活動とともに、ひまわりハウスにおいて、陸前高田市に常駐し地元の復興支援に取り組む社員の話を聞き、研修の最後に、「これからの復興に必要なこと」というテーマでのグループ討議を行うなど内容の見直しを行いました。参加者一人ひとりが考え、チームで意見交換し、結果を共有する機会を設け、同社の事業活動を含めた企業活動全体で被災地支援という視点から、企業の社会貢献のあり方、企業と社会との関係性を考える機会を追加したのです。そして3年目である2014年4月には、関係会社6社を含む125名へと対象を拡大し、2泊3日1回で実施、これまでの内容に加えて、首長など自治体関係者の講話も含めたプログラムで開催しました。震災から3年が経過し、復興を進める中で、地元自治体の将来に向けた思い、復興の現状と課題、新入社員に期待すること等の講話を聞くことで、被災地のいまを知った上で、企業としてどんな貢献ができるのかを考える機会としました。

 初年度は、試行錯誤のなかでの実施であったが行きと帰りでは参加した新入社員の表情が一変し、学生から社会人へという行動面の変化も顕著に見られたといいます。終了後の参加者のアンケートからは、現地を知ること、業務を通じた社会貢献のあり方の理解、チームワーク活動の重要性、被災地支援の必要性等についての理解が深まった旨の回答がありました。その他の各種調査によっても、新入社員の社会貢献への意識づけや、導入教育としての有効性について効果が上がり、因果関係は見えにくいところですが、定着率については当初の新入社員の離職率に比べ、本研修を導入後の方が一層低下する結果となっています。

 モラールサーベイから伺えることとして、「仕事がお客様や会社の持続的成長/社会への貢献に役立っている」、「日常業務の中で、常にお客様を意識し、お客様にどのように貢献できるかを考えている」、「自社で働くことに誇りを感じる」、「自社が好きである」のスコアがプラスを示しており、また社会貢献活動の認知度も高まっています。

 本プロジェクトは、CSR推進部門が現地での取り組み主体となり、人事部門の所管である新入社員研修と歩調を合わせています。この3回のプロジェクトを通じて、被災地に対してはまだまだ長期的かつ継続的な支援の必要性が認識されているところで、活動は継続しています。

<本事例を取り上げた背景…審査委員会コメント>

  • このような地道な活動を大切に、また震災復興に目を向け続ける点でも、今後も是非続けていっていただきたい。
  • 個々の新入社員の成長ステップと、企業の社会的な存在意義を重視する姿勢が明確に表れている。今後の参加者に中堅やベテラン層にも広げることで、同じ空気感が広がり、同社の価値創造レベルが上がっていくのではないか。
  • この取り組みの継続の先に、同社の存在意義を体現する社員が増え、事業にも好影響が起きてくることが想定される。震災復興への取り組みはそれ自体の社会的インパクトが大きい。そこに携わった新入社員へのインパクトも大きく、また長期に渡り心に残り続けるものであろう。組織のアイデンティティの原体験にもなりえるかもしれない。その力強さを、紹介事例として是非掲載させていただきたい。

NECネッツエスアイのWEBサイトはこちら

ページトップへ戻る