有志の会「One Panasonic」 事例にみるKAIKA経営の実践

KAIKA Awards 2014ではKAIKA賞3組織、特別賞2組織、特選紹介事例3組織を選出いたしました。
こちらのコラムでは順次事例をご紹介しています。

特選紹介事例 有志の会「One Panasonic」

有志の会『One Panasonic』による風土革新への挑戦

会社の中の縦横のつながりを深めたいという想いの有志メンバーが、One Panasonic の実現を目指し、2012年の経営統合を契機に発足したのがこの有志の会です。大企業に存在する「縦割り組織の壁」「経営層と現場の乖離」「若手社員の感じる閉塞感」といった課題に対し、ボトムアップで課題解決の風穴をあけようとする有志の取り組みで、交流会等を通じてクロスファンクションを促進し、“面白くて新しいものを生み出し続ける” 組織づくりを目指しています。

 社長をはじめ、役員とのダイレクトコミュニケーション、先輩の体験談を後輩と共有する「ようこそ先輩」企画等を通じた先輩・ミドル層の参加拡大、テーマ別の分科会や、自ら新規事業に挑戦する社員の支援など、活動は年々拡大。大阪、東京、福岡など各地での交流会にも発展しています。また他社で志を同じくする活動との交流も積極的に行われ、「Bottom up Japanⅰ」という会社を超えた有志の団体の立ち上げにも影響しています。こうした一連の活動を通じ、参加する個々人や組織風土への好影響が出ていると同時に、有志の会をハブとした情報のネットワークも広がっています。

 本プロジェクトの狙いは、重厚長大で停滞感の漂う製造業を、面白くて新しいものをどんどん生み出せる組織に変革することであり、社員目線としては、一人ひとりがモチベーション高く、イキイキと日々の仕事に臨める環境を、自らつくっていくことにありました。

 きっかけとなる取り組みは、有志の会の代表をつとめる濱松氏が、入社する前に、会社で働く先輩との「つながり」があったほうがよいのではないか、と感じていた課題認識が発端となっています。2006年に入社してから6年間、内定者と先輩社員との懇親会を開催し続けたことにより、総参加者は400人に及び、現在の活動の母体となりました。

 2012年1月、パナソニックは、パナソニック電工、三洋電機と一社化。風土の違う3社が一つのパナソニックとなり、シナジーを発揮して成長につなげようというのが会社の方針でした。その時点では、3社の交流が現場レベルまで浸透し、実践されるまでには至っていませんでした。公式な活動や組織レベルでは、様々な動きがあったが、現場レベルで一体感を感じ、シナジーを創出するために何かをしなければならないという問題意識から、2012年3月に3社の若手に声をかけ、交流会としてOne Panasonicがスタートしました。

 以来、約3年の間に若手を中心とする交流会は、大阪で13回、東京、福岡でもそれぞれ3回実施されています。参加する年代層も拡がり、総勢の参加者は1,700人に及びます。交流会をきっかけに社内に広がった個人的なネットワークを生かした各種分科会や、自分のアイデアを商品化したいという思いのある社員を後押しする取り組みもスタートしています。

<本事例を取り上げた背景…審査委員会コメント>

  • 日本(企業)の強みのひとつである、現場主導で自立的に改善活動を進めていくといった活動が、新しい形で顕在化している活動である。こうしたボトムアップでかつ広がりのある活動の重要性を改めて考えるうえでも、多くの人や企業に着目してもらいたい活動である。
  • 大きな会社の中でも一人ひとりの個の力が重要であることを物語っている事例である。大企業の中で経営陣を巻き込み、さらに他社をも巻き込む活動になっている点は、この活動の共感力の強さを証明するものであり、モデルケースとして是非推薦したい。
  • 一般的に、組織内にはオフィシャルな活動とそうではない活動(ボランタリー、セミオフィシャル、アンオフィシャル)のメリット、デメリットがあるであろうが、ボランタリーだからこその力強さと魅力が非常に活かされている素晴らしさがある。

有志の会 One Panasonicの活動サイトはこちら

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