ライオンズマンション光が丘公園管理組合 事例にみるKAIKA経営の実践

KAIKA Awards 2014ではKAIKA賞3組織、特別賞2組織、特選紹介事例3組織を選出いたしました。
こちらのコラムでは順次事例をご紹介しています。

特選紹介事例 ライオンズマンション光が丘公園管理組合

「非営利組織の持続的な活動で導く公共財としての取組み」

本テーマは、管理組合理事会主導でマンションの様々な資産価値を向上する取り組みを行っている活動です。92世帯が住むマンションの管理や事業の運営方針は、管理組合理事会が主体となり、総会の意思決定により公共財を意識して整えています。管理会社と各種業者も活動推進を支援していますが、自らの住環境の価値を住民自らがより良くしていくという理事会の意識が高く、主体的な活動が顕著にみられます。

 管理組合理事会は持ち回りの輪番制と立候補や理事会推薦で構成され、様々な価値の向上に対する積極的な議論が積み重ねられています。例えば、大型修繕では中長期計画かつ財政管理などの数値指標を含めた施策を導入。あるいは、防災訓練などの機会を活用したコミュニティを充実する工夫や、将来の需要を見越した太陽光発電(売電)や災害対策蓄電池、電気自動車充電設備やカーシェアリングの導入など、住環境の整備にも積極的に取り組み、活動の持続可能性を組織として高めています。

 2009年の大規模修繕工事の計画検討時が、資産価値に関する住民意識を強めた契機でしたが、当時、住民内での対話を牽引した理事長や理事だけではなく、継続的な活動の中から、コアメンバーとして活動する理事も増え、住環境の向上に意欲的な住民がより多く参画してきている事例で、オーナーの主体的な参画によるリノベーションの推進が実現しているモデルの一つといえます。

 この事例では、管理組合が主体となり生活の場としての住まい空間をより良いものにするということに留まらず、共有財産の価値を高めるという主体的な意識を根付かせる取り組みが行われています。そもそもの発端は、2009年に大規模修繕工事を検討したプロセスで、管理組合の活動とは、「誰のために何を優先して行われるのか」という目線合わせを行った結果、関係者の同意と納得がすすみ、「中長期ビジョンに基づいて、その時々に選択できる最良プロセスの積み重ね」が進んだことであるといいます。日々の管理組合の活動を通じて、お互いの顔を知りあい、合意の過程と意思決定のあり方を見える化し、安心・安全・快適から、満足できるみんなの家づくりに取り組んでいます。

 特徴的な点をあげると、理事会諮問による「マナー委員会 」設置、広報・行事担当、営繕工事の実施基準の明確化、登録指定業者制度、報酬制度 ならびに助成金の積極的活用、IT活用インフラの整備、理事会メンバーへのiPad貸与、理事会の複数年任期制(半数交代による持続性確保)、理事会運営細則、議事内容の共有、収益事業管理、グッドデザイン賞や環境省みどり香るまちづくりなどへの応募、があげられます。管理組合はマンションのコミュニティ充実も資産とする段階まで、活動を高めていきたいと考えています。管理組合理事会の出席率は高く、2世代で居住する世帯もあるとのことです。

 マンションを購入するときには、購入費や初期必要経費は考慮されても、修繕・補修などの恒常的に積み立てられる維持面での支出については、あまり重視されることはありません。本事例では管理の質に対する関心や意識を啓発したことで資産維持と新たな価値の協創が生じています。これによりマンションのリセールバリューが高まっており、将来に向けた取り組みが、功を奏しているといえます。

<本事例を取り上げた背景…審査委員会コメント>

  • 社会的に要請の高い住宅ならびにコミュニティの価値向上という点に取り組んでいる意義は大きい。KAIKA Awardsとしては、このような活動の重要性と、問題提起の意味を込めて、特選紹介事例に選出した。
  • 本取り組みには、現代の大きな社会課題でもある地域創生や町づくりといった取り組みにも重要な示唆が含まれている。また、コミュニティの広がりとして、たとえば周辺近隣とのコミュニティやマンションとの相互交流企画などへ広がると、この活動の意義が社会的に広がるものと思われる。
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