三井住友海上火災保険株式会社 事例にみるKAIKA経営の実践

KAIKA Awards 2014ではKAIKA賞3組織、特別賞2組織、特選紹介事例3組織を選出いたしました。
こちらのコラムでは順次事例をご紹介しています。

KAIKA賞 三井住友海上火災保険株式会社

「『個人の働きがい・成長』と『組織の競争力向上』の実現に向けて、社員一人ひとりの役割変革を推進する全社運動」

【取り組み概要】

保険業界では、国内市場で勝ち残ると同時に、成長が望まれるアジアなどの海外市場に進出し、新商品開発や販売強化を図る必要が高まっています。その中で人の数をむやみに拡大せず業務を拡げるために、一人ひとりの労働の質を高める必要も高まっていました。

2011年に始まった「役割イノベーション」という取り組みでは、社員個人として、担当業務の領域拡大・効率化・質の向上を図り、組織目標を達成するところに狙いが定められています。

人事制度とも関連しますが、定型的に定められた仕事を行うだけではなく、顧客の期待に対して、従来の業務の枠を超えて、やるべき人が実行できる仕組みへの転換です。全国(あるいは海外)で仕事を行うのか、それとも地域を限定して仕事を行うのかという違いだけの仕組みを目指しました。

いわゆる総合職や一般職といった枠組みは、「私はこれさえすればよい」という思考に固まることもあります。このような意識では本来の力を発揮できないし、させない仕組みになっているともいえるのが特徴です。たとえば同社では、従来全域社員が担ってきた顧客や代理店に対する営業活動を、地域社員が積極的に実行していくようなことが、役割イノベーションの中で行われました。そこには、男性が営業の中心であった既存意識の変革とともに、業務の見直しという視点もあります。人財の力を引き出すことは、意識や行動変革によって、社員が成長し続け、働きがいを実感することでもあるでしょう。

いままでの仕事の担当や守備範囲を見直すことは、役割分担の変更だけには止まりません。ここまで仕事をすすめてもよいのか、させてもよいのかという意識変革をすすめる必要もありました。

同社では中期経営計画との連動性や、経営理念(ミッション)・経営ビジョン・行動指針(バリュー)の理解浸透も同時にすすめ、なぜいまの仕事をしているのかという意味の理解についても全社的に取り組んでいきました。顧客あるいは社会から必要とされている存在意義を再確認することでもあり、顧客志向そして社会的な活動の必要性が理解されていったプロセスと見ることもできます。

さらに活動は、「Beプロフェッショナルfor all」と称して進化して展開がはかられています。すべての社員が自らを磨き上げ、常に品質の高いサービスを提供することが狙いであり、名称の最後に「for all」とつけているのは、職場の皆のため、顧客を含むすべてのステークホルダーのためであるとされています。

実践的な教育・推進策として、様々なテーマのビジネススキル研修や学習ツールを提供し、さらに知識やスキルが習得されると、どのように仕事に役立つかを理解できるように、実際に活用している事例を紹介しています。その他、社外研修やセミナー・海外研修などへの参加あるいはwebでの自己学習も奨励しています。また自己啓発のみではなく、育てる側・マネジメントする側の力を強化するプログラムを設定し、受講意欲を高めているのも特徴的です。人事部門だけでなく、本社各部門との連携もはかり、実際の業務面で活用できるプログラムの提供に腐心し、さらに異動希望ポストへの公募枠を設けたり、個人目標を上司・部下の話し合いで設定・フォローする「目標チャレンジ制度」、キャリア形成を自律的に考えていく「キャリアマネジメント研修」などを用意し、自らがチャレンジする風土作りの促進をはかっています。

<KAIKAポイント>

競争が激化する状況下で、サービスの優位性を保ち、お客様からの揺るぎない信頼を得ていく必要性が高まる中、同社では経営戦略の柱として2011年から「役割イノベーション」という施策が展開されました。

これは、一人ひとりが高い目標を掲げ、新たな役割にチャレンジしていく全社的な取り組みです。この取り組みと並行して、2013年には社員区分について、従来のいわゆる総合職・一般職のような役割の違いによる区分をなくし、ともに広範な業務を担う「全域社員」「地域社員」(違いは転居転勤の有無のみ)という新しい体系に変更しました。これにより全域社員・地域社員がともに役割を拡大し、意識・行動の変革が起こっています。地域社員は、定型業務中心から、この取り組みにより仕事の効率化をはかり、従来では担当しなかった営業活動などにも意欲的に業務を拡げています。一方で全域社員は、新規市場の開拓など創造的な業務のウェイトを増やし、成果につなげています。

2011-2013年の「役割イノベーション」は、2014年に「Beプロフェッショナルfor all」という名称でその活動を進化させ、一貫して経営陣がその重要性を発信し推進しています。また「学ぶ責任」「育てる責任」をキーワードとして、職場単位で相互支援をしながら主体的に活動を進め、「最強の職場」の創造を目指してチームワークを高めていることも本活動の特色です。役割変革による社員一人ひとりの成長と、組織の持続的成長との両面が、この取り組みを通じて強化・定着しつつある取り組みです。

三井住友海上火災保険株式会社のサイトはこちら

ページトップへ戻る