立命館大学 研究部 事例にみるKAIKA経営の実践

KAIKA Awards 2015ではKAIKA大賞2組織、KAIKA賞6組織、特選紹介事例3組織を選出いたしました。
こちらのコラムでは順次事例をご紹介しています

特選紹介事例 立命館大学 研究部

「立命館大学研究高度化中期計画」

【取り組み概要】
立命館大学は、学生数32,000名を越える総合大学であるがり、国立大学と比して、教育研究資源が限られている私立大学でもあり、、るが、研究力向上や学外資金獲得を通じた、大学の活性化を目指している。その中核を担う組織が職員数185名の全国最大規模の大学における研究推進事務組織である研究部である。主な役割は、研究室の研究費獲得計画・学外資金導入コンサルティング、技術シーズ・特許などの知的財産マネジメント、研究プロジェクトのコーディネート、・公募申請支援、公的資金等の研究費管理、研究成果の発信・社会還元推進などである。

ritsu_img 立命館大学では、自然科学系理系だけの教員が研究を行うのではなく、人文社会科学文系の教員も積極的に研究に目を向ける文理融合を推し進めるとともに、研究で得た果実としての収益(間接経費等)を次の投資としての、優秀人材雇用や新規案件発掘または重要案件対応など研究高度化の充実に振り向けている。担当の教員研究部長は「一般的に、大学職員にしてみれば科研費は教員が自由に応募し、研究費の取り扱いも面倒で、ともするとブラックボックス化してしまい、公的資金であるが故に責任が重く扱いたくないというような意識にとらわれなりがちであり、る。教員にしてみればとれば執行事務も複雑で、誰にも相談できる相手も少なくず、不慣れな業務に忙殺されることとなり、結果、研究に時間を費やせず、本末転倒的な結果となる面面がある。」といっている。。しかしながら、研究部という事務組織と教職協働という文化が横断的な仕組みがそのことを効果的積極的に解消するキー策となっている。教員研究部長は、やらねばと思っていたけれど、誰もが手をつけられなかったことを実現したこのことが“発明”であるという。

それから、一般的には、立命館大学の研究部は、他の学校法人組織の研究部門とは少し構造が異なっており、の相違点であり、研究や産学官連携推進に関するヒト、モノ、カネ等をマネジメントする機能を事務・資金・人をひとまとめにした組織形態をとっており、にしており、教員が研究に迷わず専念できるサービスをワンストップサービスを実践している。それらの結果、立命館大学の研究部は、受け身的な事務部門という性質ではなく、前向きに課題を見つけ、研究開発型の大学への転換を図る旗頭を振る役割を積極的に担っている。個別教員のシーズを見つけ、育て、その総和としての大学のブランド化を図り、輝く研究・教育機関としての力をつけ、世の中に貢献しようとしている。

KAIKAポイント

少子化、全入時代などといわれ、加えて世界大学ランキング重視志向によるグローバル競争の激化理系重視・文系学部改廃など、大学を取り巻く環境は厳しい。大学組織は、教授会が中心となって自治運営する仕組みから、学長をトップとする組織体で、課題対応する動きも見られる。その中で重要な役割を占めるのが、事務管理部門である。教員ないしは教授会の指示命令の下、受け身的かつ前例踏襲型の業務遂行をなす組織とみられがちだが、立命館大学の事務管理部門は、教職協働一体で互いを認め、意見交換を行い課題に対応していく色彩が強い。そのなかでも研究部は、産学官産官学の結びつきを積極的に行うコーディネータとしての役割を果たし、大学ブランドを研究活動を通じて強固なものとする取り組みを進めているの中心として取り組んでいる。

研究部のメンバーは、正規(専任)職員・契約職員・派遣職員・有期雇用期間限定の高度専門職員などで構成されていて、縦割りで前例踏襲という悪い意味での官僚的な組織に所属する、言われたことを粛々と進めるという姿ではなく、自主的かつ主体的に内外組織に働き掛けていく業務スタイル職員像である。その一翼を担うテクノプロデューサー(以下TP)と称する研究推進職員がして、研究ノウハウの共有化やと活用のための各種の研修を通じ、教職協働による産学官連携活動を積極展開している。や、不正支出事案などの伝承を行っている。また、教員と職員ならびに雇用形態も異なる研究部メンバーが意見を言い合い、互いを認める立命館大学の風土感、そしてと当該組織長である事務部長のキャラクターがうまくかみ合い、高意識・挑戦意欲・変わる努力を継続する闊達な組織を作り出している。

<本事例を取り上げた背景…審査委員会コメント>

職員のレベルを向上させる施策だけではなく、「研究なら立命館」という大きな目的に向かって、大学というフィールドに繋がる存在6つのステークホルダー(学生、父母、校友、企業、自治体、省庁)利害関係者を意識した戦略的な目標を立て、教員と職員がスクラムを組んで組織的に動く教職協働のシステムである。立命館大学の研究部は、研究・産学官連携に関する事務・資金・人をひとまとめにした組織形態にしており、教員が研究に専念できるサービスをワンストップで行う利便性を兼ね備えていると持っていると同時に、高いレベルで研究活動を行うためのを資金面の調達・管理投資・執行回収をから第三者的観点からマネジメントに判断を行う面もを有している。大学ブランドを内外において強固なものとする取り組みの中心となる組織として取り組んでいる。

教員と職員ならびに雇用形態も異なるメンバーが意見を言い合い、互いを認める点から、闊達な組織を作り出している。職員と教員とが対等にビジネスのパートナーとして動いており、それは、コーディネート機能が非常に重要であることを組織として認識したうえで、実際に職員のコーディネートが有効に機能していることと、互いに敬意をもって高度に役割分担がなされていることに依拠しているよる。厳しい環境変化にさらされるなか、顧客目線で内輪の技術に特化することなく、シーズを花開かせようとする学内組織横断と明確な目的志向をもった活動は、他の業種業界でも応用が広いと思われる。
大学運営におけるで職員の価値向上と動機付けを両立し、資金調達、活用、リターンまでを考えて教育研究の充実を図る立命館大学の研究部の試みは、国際的な生き残りをかけて各種の闘いを行い、使命を果たしていく日本の大学経営の取り組みの一つの姿を示していると思われる。

ページトップへ戻る