株式会社セプテーニ・ホールディングス 事例にみるKAIKA経営の実践

KAIKA Awards 2015ではKAIKA大賞2組織、KAIKA賞6組織、特選紹介事例3組織を選出いたしました。
こちらのコラムでは順次事例をご紹介しています

特選紹介事例 株式会社セプテーニ・ホールディングス

「ひとりひとりのアントレプレナーシップで世界を元気に。
~「ひねらんかい」から生まれる人と事業で、世の中に新たな価値を~」

【取り組み概要】
セプテーニグループが起業家を育てるために採用している方法は、実際に起業させることである。挑戦者は 新規事業を実際に行う貴重な経験の中から、座学では得られない力をつけていく。ビジネスプランコンテスト を通じての選抜後は、新規事業を行う部署である「ひねらん課(社是である「ひねらんかい」から命名された 新規事業立ち上げ専門部署)」に配属され、既存の業務はすべて引き継ぎ、新規事業だけに専念することが認められる。

進捗状況の共有と相談は定期的に担当役員には行うが、基本的には自分の考えと責任で事業を進め る。事業開始後12 ヶ月以内の単月黒字化達成、次の12カ月以内に四半期黒字化を達成など、サービスローンチ後のビジネス環境を想定し、厳格なルールのもとで成果を出すという条件が課せられているが、厳しい条件 下でモチベーション高く事業開発に打ち込めるよう、新規事業開発責任者のみが対象となるスーパーインセン ティブプラン(事業開始から最長3期まで営業利益の10%を支給される)も用意している。

またセプテーニグループでは、質の高い起業家人材の獲得のために、人事データマネジメントおよび統計 技術を活用した科学採用をはじめとした独自の採用を行っている。属人性の高い面接というプロセスのみでは、応募者が業績を上げる人材であるかどうかの判断は難しく、ミスマッチが発生してしまうケースもあるため、個人に紐づく膨大なパーソナリティデータと評価情報を20年間分データベース化し、採用時に取得している100のデータと結合させ、統計手法を用いて採用応募者の未来業績を予測し、アセスメントとして運用している。定着と活躍をKPIとしているため、社内で成果を出す確率が向上し、採用された人材が各々のポジショ ンで働きがいを感じられるように業務にあたらせている。

KAIKAポイント

セプテーニグループ最大の資産は、当事者意識が高くアントレプレナーシップ(起業家精神)溢れる人材で あり、商人(あきんど)と呼んでいる。ポテンシャルと能力を保有する人材の採用を行い、活躍しやすい環境 づくり、能力開花をサポートするべく育成プログラム、事業・サービス開発を支援、収益の拡大を図るサイクルをまわして、事業を通じての世の中への新たな価値提供を進めている。

<本事例を取り上げた背景…審査委員会コメント>

この取り組みが生み出している大きな価値のひとつは、「量的に拡張を続ける企業が、真に”イノベーティブ”であり続けるための、ひとつのモデルと実践手法の提示」と捉えることができるだろう。ゼロから新しい事業 を作り上げる「起業家=アントレプレナー」に求められる資質と、既存の事業を守り育てていく人材に求められる資質とは明確に異なることを、実際のデータから導き出している。従って、社員全員に狭義の「起業家」になれとは勧めていない。

ただし、「起業家精神=アントレプレナーシップ」を、「当事者意識をもって仕事に取り組む」という意味にも拡げ、狭義と広義の「起業家精神」を、従業員のひとりひとりの資質に合わせたかたちで鼓舞することにより、社内でのドライな棲み分けを回避し、企業全体としてイノベーティブであることを担保しようとしている。「採用」「配置」に活用されている同社独自の「科学的手法」がベースにあり、そうしたエビデンスベースのマネジメントの上に、狭義の起業家の発掘育成プロセスが構築され、同時に、既存ビジネスを支え成長させていく人材プールを鼓舞する様々な仕組みが組まれている。

そして、実際に各種のプロセスや仕組み・施策を実施するなかで立ち現われてくる様々なデータを吸い上げて「科学的手法」の更なる糧とし、手法の精度を上げていくというサイクルがある。こうした土台が、「ひとりひとりのアントレプレナーシップで世界を元気に」というテーマを下支えしている。

ページトップへ戻る