株式会社日立システムズ 事例にみるKAIKA経営の実践

KAIKA Awards 2016ではKAIKA大賞2組織、KAIKA賞4組織、特選紹介事例3組織を選出いたしました。
こちらのコラムでは順次事例をご紹介しています

KAIKA賞 株式会社日立システムズ

「日立システムズWayによる継続的なブランド価値向上の取り組み〜満足と感動をもたらす新たな価値を創造しステークホルダーから選ばれる日立システムズをめざして〜」

【取り組み概要】

日立システムズの企業理念は、「業界の先駆的企業としての経験と誇りを以って、情報技術・製品・サービスの開発と提供を通じ、真に豊かな社会の実現に貢献する」と定められている。さらに、「人の持つ無限の可能性と人間性を尊重し、お客さまに一番近い存在として、満足と感動をもたらす新たな価値を創造する」という言葉が続いている。つまり、お客さまが気付いていない課題にも踏み込み、お客さまのさらなる成長に向けた提案を行うとともに、お客さまとその先にある地域や社会の立場で物事を考え、新たな価値を提供することで、社会の発展に貢献するという考えがあらわれている。

そのために、全社方針から部門方針、そして各部の春のOKミーティングで個人活動に落とし込み、さらに冬のOKミーティングでは次年度の課題や予算への反映というPDCAサイクルをまわしている。毎年実施しているお客様のイメージ調査を手掛かりにして、外部の視点を取り入れた行動を促進して、社内の意識合わせや社会感度を高めている。

また従業員の意識を変化・向上させることとあわせて、価値創造人財育成プログラムを実行している。ここでは従来のビジネスに留まらずに、高い目標を実現するためのマインドとスキルを有し、行動指針に沿った主体的な行動により、異なる価値を結合して新たな価値を創造していく人財(価値創造人財)を育成するためのもので、アートと対話を組み合わせたワークショップなどを導入した3ヵ年の価値創造人財育成プログラムを実施している(対象者は583名)。この活動は、価値創造人財の育成、事業部を超えたネットワーク作り、そして新事業創成の加速(中期経営計画の達成と注力領域を軸とした成長への寄与)を狙ったものだ。

社内外への広報・宣伝活動としては、「企業理念に根差す宣伝活動とは」を議論し、デザイナーとのアート活動を通じたブランディングを図ったり、オリジナルカレンダー作成や写真と音楽の融合による価値提供、そして復興支援を目的とした仙台市の文化施設のネーミングライツ取得や、復興支援番組ラジオを提供するなど自社らしさを表出し、外部との関係を強めつつ社内へのミラー効果を発揮させている。

KAIKAポイント

保守に強い日立電子サービスと、運用・構築に強い日立情報システムズが合併して日立システムズが誕生して5 年が経過している。日立システムズでは、日立システムズWayに沿ってお客さまの視点で自ら考え、変化にスピーディーに対応し、実績と信頼を積み重ね、お客さまから選ばれる存在をめざした従業員基点の経営システムを追求し、制定・定着運用・理解実践 3 つのステップから取り組んできた。

制定ステップは、合併前の半年に社長直轄で準備が進められ、従業員の意見をまとめる形で、企業理念・経営ビジョン・事業ブランドなどが制定され、新会社スタートとともに会社規則化された。その後、定着運用ステップとしては、経営戦略・事業戦略を事業部方針そして部・課・個人へ伝達して理解促進するとともに、行動計画に落とし込み人事システムとの関連づけを行っている。お客様イメージと従業員意識調査とのフィードバック(ギャップデータ)による打ち手の検証が行われ、実効性が問われる仕組みとなっている。そして理解実践のステップとしては、全従業員向けに社内広報や社内外への広報・宣伝活動によるインナーブランディングならびにブランドブック・eラーニングなどの理解・浸透ツールの拡充がすすめられるとともに、特定対象者には、価値創造人財育成プログラムを実施している。この活動の中で、価値創造型の事業を生みだす人材が育ってきている。

審査委員会コメント

合併をチャンスとして捉え、合併前から、新会社が会社として一つにまとまり、従業員が主体的に動き、社外からのフィードバックにも耳を傾け、企業価値を高めていくための仕組みが、丁寧に組み立てられている。合併時の一種の盛り上がりで終わらせず、時間が経って風化しない、逆にさらなる価値向上に向けて進化(深化)していくための仕掛けも構築されている。全社としての視点が従業員に浸透され始めているだけでなく、新規事業が生み出させるという成果も出ており、全体と個、理念と行動がバランスよく取られた取り組みだといえる。

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