リモートチームマネジメント研究部会2014 第1回レポート

働き方に関する“あたりまえ感”のシフトに注目

■背景

KAIKAプロジェクトでは、「あたりまえ度」の変化や事象の本質的なメカニズムに迫ることを「KAIKA Lab.」という活動で行ってきました。その中のテーマの一つに、「これからの働き方」への注目があります。

昨年は、個人や社会の意識変化と、それに伴う企業組織の施策に注目をしましたが、今年は特に、マネジメントスタイルへの影響について知見を深めるとともに、他機関との情報交換を通じて「次世代組織をつくる」輪を広げていきたいと考えています。

第1回目は、働き方に関する“あたりまえ感”の事象が変化・進化している動きに注目しました。ボーダレスでビジネスが動き、インターネットの発達により場所を問わず仕事ができる環境が増えている中、組織のマネジメントとしてはまだ各社模索しているように見えます。離れたところで働くスタイルのチームも増えているのではないか、それに対するマネジメントに変化は出ているのか、世界5カ国のマネジメント団体や教育機関と情報交換を行いました。

■「リモートチーム」や「働く場所の変化」について

5カ国の機関から協力を得ましたが、リモートチームという状況が様々な形で表れていることについては、程度の差はあれ各国とも認識が高まっていました。また、企業だけではなく政府機関の地域分散が進んでいるという韓国の話や、新しくオフィスがつくられる際に、当初から常駐オフィスを前提にしないつくりが増えているというタイやシンガポールの話を伺いました。

また、具体的に、その団体や企業内でも自体も非常駐の働き方をしている例も注目されます。たとえば従業員の一部ははじめから完全な遠方に住んでおり、インターネット等を介したコミュニケーション手段を前提として働くスタイルを多様化している例は複数見られました。IT技術の発達は、その利便性を高めています。

The Eurasia Consortiumというイギリスを本拠地とする企業は、世界各地で事業展開を行っています。プロジェクトベースで、国籍の異なるメンバーがチームとなり、遠隔地コミュニケーションをとりながら働いています。また、同じ拠点にいるメンバーも多国籍で構成されています。これを可能にしている一つは、仕事の締切を定め、締切日が明確なタスクベースにおとして分担しているところがあります。これが徹底されれば、チームサイズが大きくなっても可能であろうと同社のStewart氏は指摘します。

こうした働き方が進んでいくときに、働く場所はオフィスまたは自宅であるというような固定的なものではなく、動的なものであるという感覚の方が強まっていっているように見えます。

■考察

一か所に集まらないことで、組織へのコミットメントが薄れたり、人の育成が継承されないのではないかという見方もあるでしょう。これからの考察活動で深めていきたいと思っていますが、働く場所の遠近だけではなく、世代の差やITリテラシーの違いなどの影響も大きく、コミットメントや育成については複数要因をあわせて考えて行くべきではないかと考えています。

リモートチームマネジメントを考えて行くことで、会社のビジョンや理念への共感、個人にとっての意味づけの重要性があわせて浮き彫りになり、これからの組織マネジメントの本質に迫っていけるのではないかと考え、第二回でさらに深めていく予定です。

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