特殊発泡体を使って、化粧品用や産業用のスポンジ等を製造・販売する同社は、持続可能な発展のためにはSDGsの理解と取り組みが必須だと考えるに至り、具体的な数値目標を掲げて取り組んでいる。推進にあたっては、勉強会とワークショップを開き、SDGsが経営のためのツールであることを共有。ビジョンをもとに、「雪ヶ谷サステナブルチャレンジ2030」を策定し、廃棄物50%減などの具体的な目標を掲げた。活動においては、若手社員をリーダーとしたプロジェクトチームを設け、全員参画型を重視。一人ひとりがアイデアを出しながら取り組みを進め、「サステナブルスポンジシリーズ」など新たなラインアップも生まれている。自社がSDGs経営の実例をつくっていくことで、ものづくり中小企業全体のSDGs推進にも寄与していきたいう強い思いも持っている。
社会課題解決企業として、中小企業の中でリーダーシップを担っていきたいという志と、経営の軸としてSDGs推進が有効に機能するという実感とが伝わってくる事例である。社会的な意義を実現すると同時に、経済性や競争優位性が高まることを体現している。
社員の「自分事化」の意識も高い。SDGsが共通言語化されたことで、提案がしやすくなったとの声もあるが、「なぜ」をしっかり共有し、全社員の理解・納得醸成に時
間をかけ、「誰一人取り残さない」ための工夫もなされている。風通しがよく相互の強みを生かすことができる組織としても、さまざまな示唆に富んでいると言える。
組織概要(2021年度受賞時)