インターナル・コンサルタント養成のススメ~
第11回: 改革活動における企画段階の全体像を俯瞰する(2)

2021年6月21日

こんにちは、チームスキル研究所の田中信です。

前回は「改革※1活動における企画段階の全体像を俯瞰する」と題して、本コラムの第6回※2 でご紹介した「改革デザイン・マトリクス」を使用しながら、改革デザイン・マトリクスにおける縦軸の「改革活動の実施項目」の各内容について概要をみてきました。今回は、横軸に設定される「改革の手段」についてみていきたいと思います。

「改革の手段」を考える際に必要なこと

本コラムの第6回※2でご紹介した「改革デザイン・マトリクス」の横軸が「改革の手段」となります。このマトリクスを用いて改革の進め方イメージを検討することができます。
また改革ステップを時間軸に乗せて表現することで、改革マスタープランや単年度のアクションプランを策定することができます。ICが改革プランを検討する際、改革アイデアを多角的に発想できるようにするため、「改革の手段」の項目はできるだけ多く挙げることを推奨しています。

以下に、横軸に設定する項目例を示し、各項目の概要についてご説明します。

横軸の項目例 :「改革の手段」

A : インタビュー

改革を進めるにあたって、有識者やキーパーソン、仲間を見出し、情報収集や改革実現に向けての関係を構築していくための重要な手段となります。実際のインタビューの進め方や、年々重要性が増している背景などは、本コラム第7回~第9回の中で詳しく説明していますのでご参照ください。

B : 資料収集・分析

改革に関連する社内外の情報収集、分析に関する行動です。 現状やありたい姿を明らかにするための定量/定性情報や改革課題の設定、改革の方向性、社内外のベンチマーキングなどが含まれます。

C : 観察、同行

インタビューや資料収集・分析から、改革マスタープランや単年度のアクションプランを策定することができたとしても、そのプランを実行する段階で、実際の現場との大きなズレが生じてしまい、企画や計画が机上の空論になってしまう可能性があります。

観察・同行を行って、実際の現場を可能な範囲で、近い距離で把握させてもらうことで、それまで検討してきた改革の視点がリフレッシュでき、新たな視点が加わり、より実現性の高い改革施策を検討できる可能性が高まります。

また、観察、同行の際に得られる現場メンバーとのコミュニケーションは、上述した「A:インタビュー」とは異なる環境での対話機会となるため、より生々しい現実の話や現場ならではの改革視点などを得ることができ、その後の分析の質が高まります。

D : 診断ツール活用

改革の構想段階での課題抽出や、改革の推進段階における進捗状況の把握などを目的として診断ツールを活用できます。 例として「組織のKAIKA度診断※3」をご紹介します。KAIKA度診断では、7,000名以上の研究データをベンチマークデータとして活用し、①個人の成長 ②組織の活性化 ③組織の社会性 の3要素から、組織のイノベーション体質(社会価値創出力)がどの程度のレベルにあるかを診断することができます。

このような診断ツールを用いることで、改革目的に沿って体系的・網羅的に組織状態を把握することができます。診断ツールによっては継続的に測定することで「組織の健康診断」のような使い方ができるものがあります。

E : キーパーソン打合せ

実際の改革企画やひとつひとつの改革手段を推進に協力していただく社内外の方々とのやりとりになります。社内外のキーパーソンに関しては、本コラム「第4回:改革の企画段階(フェーズ)で大切なこと」の中でも詳しく触れていますので、ご参照ください。

F : 講演会、シンポジウム、フォーラム

社内メンバーが改革へ関心をもつ機会として、また改革の是非を問うことでの「ゆらぎ」を起こすために、部門長や職場メンバーを対象にした講演会やシンポジウム、フォーラムなどの情報発信の場を利用します。

社外コンサルタントへの改革テーマに関する講演依頼をいただく際「社内の改革企画担当者が改革の必要性や進め方について発信しても組織内で期待する反響が得られないため、外部の専門家に他社事例なども含めて話をしてほしい」というご要望をいただくことがあります。

同じ会社の人の話ではなく、外部有識者や他社で改革を推進している方による事例紹介などには、社内メンバーが関心をもって聞いてくれる傾向があり、結果として社内で「改革に関する議論」のきっかけとなる可能性が高まります。 このような講演会やシンポジウム、フォーラムを定期的に開催することで、継続的に改革に対する関心づくりを実施している企業もあります。二部構成として一部は外部講師を招聘しての講演会、二部は社内での実践事例の紹介やベストプラクティス事例の紹介などを実施しているケースもあります。

今回は「改革活動における企画段階の全体像を俯瞰する②」と題して、改革デザイン・マトリクスにおける横軸の「改革の手段」について、項目「A : インタビュー」から「F : 講演会、シンポジウム、フォーラム」までの概要をみてきました。 次回は残りの項目「G : 説明会」以降についてみていきたいと思います。

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※1:  このコラムでは、インターナル・コンサルタントが扱う「変える」ことの表現として主に「改革」という表現を用いて説明します。実際には「改革」のほか「改善」、「変革」、「革新」、「革命」などが変える対象に含まれます。

※2:  改革デザイン・マトリクスについては、本コラム「インターナル・コンサルタント養成のススメ 第6回」を参照
URL: https://kaikaproject.net/column/internalconsulting06/

※3: 「組織のKAIKA度診断」については、以下に示すURLで詳しく紹介されています。
URL: https://kaikaproject.net/sindan/organization/

無料のセルフチエック診断については、以下に示すURLで利用できます。
URL: https://kaikaproject.net/sindan/

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★第1回:インターナル・コンサルタント(IC)とは?
https://kaikaproject.net/column/internalconsulting01/

★第2回:社外コンサルタントと社内コンサルタントの違いとは?
https://kaikaproject.net/column/internalconsulting02/

★第3回:インターナル・コンサルタント(IC)の機能とは?
https://kaikaproject.net/column/internalconsulting03/

★第4回:改革の企画段階(フェーズ)で大切なこと
https://kaikaproject.net/column/internalconsulting04/

★第5回:企画段階でインターナル・コンサルタントに求められるスキル(1)
https://kaikaproject.net/column/internalconsulting05/

★第6回企画段階でインターナル・コンサルタントに求められるスキル(2)
https://kaikaproject.net/column/internalconsulting06/

★第7回: ICに求められるインタビュー・スキル(1)
https://kaikaproject.net/column/internalconsulting07/

★第8回:ICに求められるインタビュー・スキル(2)
https://kaikaproject.net/column/internalconsulting08/

★第9回:ICに求められるインタビュー・スキル(3)
https://kaikaproject.net/column/internalconsulting09/

★第10回:改革活動における企画段階の全体像を俯瞰する(1)
https://kaikaproject.net/column/internalconsulting10/

★第11回:改革活動における企画段階の全体像を俯瞰する(2)
https://kaikaproject.net/column/internalconsulting11/

★第12回:改革活動における企画段階の全体像を俯瞰する(3)
https://kaikaproject.net/column/internalconsulting12/

★第13回:ICに求められる5大スキル領域とは
https://kaikaproject.net/column/internalconsulting13/

★第14回:インターナル・コンサルタント(IC)に必要なマインドセット
https://kaikaproject.net/column/internalconsulting14/

一般社団法人チームスキル研究所 代表理事 コ・ファウンダー
田中 信(KAIKA Award検討委員)


大学卒業後、芝浦工業大学大学院 工学修士課程修了。日本能率協会コンサルティング(JMAC)にて20年以上にわたりコンサルタントとして企業・組織の改革・改善活動の支援に関わる。対象は、研究開発、商品開発、新規事業開発など企業・組織内での「新しい動き」をつくる活動を中心とする。  人と組織の力を最大限に引き出す支援として、キヤリアビジョン開発、コーチング、ファシリテーション、リーダーシップ、社内コンサルタント育成などのヒト系ソリューション事業を開発してきた。  2009年独立。現在までエグゼクティブ・コーチング、職場開発(チームスキル)、社内改革推進者養成や内製化など改革支援を推進。2012年一般社団法人チームスキル研究所を設立。その後、日本経営支援センター執行役、wevox組織・人財アドバイザーを兼務、現在に至る。


★この執筆者へのお問い合わせは以下問い合わせフォームよりご連絡ください。
https://kaikaproject.net/contact/

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