コラム:働き方シフトで見えたこと◆コロナ禍

コロナ禍  ~働き方シフトで見えたこと~

2020年5月7日

このコラムを書いている時期は、緊急事態宣言における外出自粛の真っ只中なので、情報や状況がとても流動的であることを含みおいてお読みくださいませ。

今回のコロナ騒動によって、かつ本コラムの主旨に鑑みて感じたことはたくさんありますが、その中のひとつを記します。

私は少し以前に、ある障がい者の方から以下のような話を聞いたことがあります。
「世の中はハードとソフトの両面によって変わります。そしてハードは外圧で一気に、ソフトは啓発によって徐々に、という違いがあります。」
「障がい者が暮らしやすい社会になるために。
今回の東京パラリンピックを機会にして、交通関連や各種の施設などが障がい者に対応したものに一気に変わってきました。ただ、障がい者に関する知識や理解は追い付いておらず、啓発的活動によって徐々にしか変わらないのです。」
というものでした。

今回のコロナによって、ハードといいますか環境として、いきなり大きく変わったことは、多くの方が実感し、まともにその影響を受けられたことと思います。
これまでも「働き方改革だ!」という説明と啓発活動は、国レベルや企業レベルでも少なからずありましたし、そのことによって、ソフト面といいますか意識も徐々に変わってきたとは思うのですが・・・。
ただ、多くの人の感想としては「言われてみれば昔とは違うよね」という感じかなと思います。
しかし、今回のコロナ禍のように、強制的に明日から働き方を考えなければならないという事態が生じると、ツールや制度含めて環境が一気に進んだという心象です。
テレワークやウェブ会議という言葉も突然に市民権を得た感じがします。オンライン飲み会、オンライン帰省という新語? も出てきました。

そしてこのコロナ禍が収まったからといって、ビジネスや仕事のやり方が全て元に戻るとは考えられません。
この間に日本全体のリモートワークのリテラシーが格段にあがったと思いますので、たとえば、「よく考えれば、出張やめてZoomでの打合せを3回やれば仕事進められるじゃない」という話も増えるでしょう。

さて、もう少しマクロ視点でこの先どうなるでしょうか? という予見は、評論家や政治学者があちらこちらで話をされており、また既にafterコロナ、withコロナ社会を語った本が次々出ているので、それらを見聞きしながら考えるとしまして・・・。

働き方に関する、個人主語のソフト面(・・・がコラムの主旨なので)をもう少し考えてみると、今回のような事態が起こると、「今、自分が出来ることは何なのか」「この先自分はどういう生き方をすべきなのか」といったことを、多くの人が考えたのではないでしょうか。東日本大震災の後にも同じような感覚を覚えました。
たとえばアーティストやスポーツ選手がYouTubeなどを通じて、自分が出来ること(歌や体操など)を発信することによって、啓発したり応援したり感謝したり、といった活動もそのひとつだと思います。

少し大げさな言葉かもしれませんが、今回のような事態は、多くの人のソフト面の少し深いところまで影響したのではないかと思います。
自分と社会との関係性、あり方について誰もが少しは考えたと思うのです。

そして、それこそが自分の「働き方」を考える基点なのだと思ったりするわけです。
会社組織を主人公にするのではなく、自分を主人公にした際に、社会とどう向き合い、どのような価値を提供できるのか?
・・・もちろん、エラソーに語った私にも未だ解はなく、「うーむ」と唸っているのですが、少なくとも、これまでよりもう一段深く考える機会となり、自身の働き方やキャリアにも影響しそうなのが今回のコロナ禍だと思うのです。

大橋 新 氏(フリーコンサルタント)

大学卒業後に金融機関・教育会社、シンクタンクを経てフリーに。 ド文系で特別な技能や専門分野を持たず、かといって特別に優秀でもないアベレージ人材。 企業に所属してフリーに、本人が経験した働き方のシフトから、「働き方改革」をどのように捉え、どのように考えているか・実践しているか、を言い散らかすコラム。
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