Vol.7 KAIKA Awardsのめざすもの〜コラム:表彰を活用した組織活性化〜

Vol.7 KAIKA Awardsのめざすもの

これまで表彰制度について、特にKAIKA Awardsを例に活用の仕方を取り上げてきましたが、あらためてKAIKA Awards自体が何を目指しているのか、について触れたいと思います。

繰り返しになりますが、個人の成長、組織の活性化、組織の社会性の相乗的な価値向上に資している活動をKAIKAと定義しています。その中で一見すると分かりにくいものの、特徴的なのが「社会性」の評価軸です。

本Awardsはこの「社会性」に着目にしていますがその理由は、そもそも論に立ち返ってAwardsの対象となる活動が、「なぜこの活動を行っているのか」という問いに対して、思想として社会起点で発想されているかどうかが重要だと考えるからです。

 本来、経営は、社会に存在する課題に対して、個人では微力であり難しいため、組織によってより大きな影響力をもってその解決に寄与していくために生じたものです。戦略論ありきの発想から考えれば、経営は競合との差別化、競争優位をどう築くかが重要なのですが、あくまでも戦略は手段であって目的ではないと考えます。

これまでは、「組織の社会性」はもともと考えられるべきものというより、企業が自社戦略に取り上げた時のみ対象となり、個人の働きがい・個の自律も同じ扱いでした。戦略としてめざしているものに「社会や個人」が取り上げられ、社会・個人への対応が具体的に手段・手法として取り上げられるという位置づけでした。

 しかし、KAIKAでは、「社会」と「個人」を起点に考えたうえで、戦略の対象としてたまたま入る可能性があるかどうかではなく、むしろ組織の活性化や成長の先に、社会と個人があるという考え方です。戦略や組織存続を起点にして「我が社が生き残るために・・・」「他社との差別化を図るために・・・」が、目的になるのではなく、対象となる活動が、社会をより豊かにし、個人の生きがいを促進するという「価値」を生み出すという考え方ともいえます。

もうひとつ重要な視点として、対象となる「組織体」の大きな変化があります。今や経済活動は、ひとつの企業の活動を超えたさまざまな「組織体」の協業から成立しています。企業の日常活動は、組織間の連携、非営利組織に代表される組織の活動、公的組織の活動、組織と組織外の個人が交流し協業するプラットフォームでの連携活動など、さまざまな活動から成立しています。それらの活動にある仕組みや実践から、相互に学びあうような時代になってきています。

このように、現在の組織体の変化や、活動体の目的や位置づけを捉え直した際に、個人の成長、組織の活性化、組織の社会性といった多元化した価値を相乗的に向上するような活動に着目しKAIKAと定義したものです。そして、組織体の内・外で巻き起こっているKAIKA的な活動について、相互に学び合い、そのプロセスを大事にしながら新たな価値創造が促進されるような社会を目指したものがKAIKA Awardsなのです。

これからの自社のビジネスや働き方を考えていくうえで、KAIKAの視点を参考にしていただければと思います。

一般社団法人日本能率協会 KAIKA研究所
山崎 賢司 (KAIKA Awards事務局)


  大学卒業後、英国国立ウェールズ大学経営大学院 経営学修士課程MBA(日本語)修了。地方銀行を経て社団法人日本能率協会(JMA)へ入職。リーダー育成、経営者選抜育成等の教育研修のほか、各社に応じた組織診断、風土改革、教育体系・人事制度構築など300社以上の企画提案を行ってきた。2011年に提言した「KAIKA経営」を主導し、現在はKAIKA Awardsの企画・運営を担うとともに、経営者の想いをコンセプトメイクすることや、各社の人事・組織領域を中心とした企画支援・業務フローのドキュメント化など(ビジョン・理念から中長期・短期戦略、人事制度・規程など)の支援を行っている。
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