Vol.3 外部表彰の諸相① 〜コラム:表彰を活用した組織活性化〜

Vol.3 外部表彰の諸相①

前回は社内表彰が中心でしたが、今回は社外表彰を中心に考察します。近年では外部表彰はどのような活用のされ方をしているのでしょうか。日本能率協会が表彰するKAIKA Awards(カイカ アワード)を例にして見てみましょう。

KAIKAは、人知・文化が開けることを意味する「開化」と、成果が表れ、実を結ぶ意味を持つ「開花」を語源としてイメージされた造語です。その定義としては、「個の成長・組織の活性化・組織の社会性」を同時に実現していくプロセスを指す考え方を指しています。

このAwardsを受賞するのは組織ということになりますが、表彰の対象は「活動体」です。経営そのものであったり、経営の中のプロジェクトであったり、といった活動に対して審査・表彰が行われることになります。したがって、当該の活動を通じて、「①個人(主に働く人々)が働き甲斐や成長感が得られているかどうか」「②組織がノウハウを蓄積し、事業体であれば健全な利益を生み出し、組織が活性化しているかどうか」「③活動が社会的に意義のあるものか、組織内外への影響力や関係性に広がりがみられるか」といった観点が審査の基本に据えられています。

これまでKAIKA Awardsにエントリーされた事例は約200件にのぼりますが、各社どのような活用の仕方を意図されていることが多いのでしょうか。

1.注目度をあげたい。
2.第三者評価を得たい。
3.組織を活性化させたい。
4.組織の意思を打ち出したい。

ざっくりと以上のような活用のされ方に集約されそうですが、1~4を順に詳しくみてみましょう。

「1.注目度をあげる」

一般的に良いニュースは、事件や事故などの悪いニュースに押されがちで、メディアに取り上げられ難い傾向にあるといわれています。また、自社の新商品や新サービスなどは、世間に向けた良いニュースになり得ますが、どうしても宣伝的に見られがちです。その点、外部表彰は第三者が取り上げる良いニュースという意味では価値が高く、活動そのものやサービスのブランド向上が期待されるでしょう。

また、KAIKA Awardsの特徴のひとつとして評価軸に「社会性」があります。つまり、受賞の暁には、社会的な意義や価値をアピールする機会となることが期待できます。近年では、特にこの「社会性」への注目が高くなってきたように思います。企業の活動や事業を「見る目」が、生み出される財・サービスの機能や価値だけではなく、活動主体である組織体の考え方や姿勢が問われるようになってきました。たとえばCSVやSDGs、ESGといった考え方も同様ですが、企業が展開する事業に社会性が伴っているかどうか?あるいは経営の姿勢に、社会全体の持続や地球環境への配慮がなされているかどうか?といったことについて、注目されるようになってきています。

かつて松下幸之助氏が「企業は社会の公器である。したがって、企業は社会とともに発展していくのでなければならない。自分の会社だけが栄えるということは、一時的にはありえても、長続きはしない。」と述べたように、社会性自体は近年生まれた考え方ではなく、従前から言われていたことではあります。ただ、改めてその意味と価値に注目が集まっているということなのかもしれません。

いずれにしても、自社や自活動の意義を社会視点から捉え直した際の価値を、改めて言語化し、ある意味で正しく世間に知っていただくために、社外表彰は良いツールのひとつといえそうです。

次回は「2.第三者評価を得たい。」
以降に触れていきます。

一般社団法人日本能率協会 
山崎 賢司
(KAIKA Awards事務局)


大学卒業後、英国国立ウェールズ大学経営大学院 経営学修士課程MBA(日本語)修了。地方銀行を経て社団法人日本能率協会(JMA)へ入職。リーダー育成、経営者選抜育成等の教育研修のほか、各社に応じた組織診断、風土改革、教育体系・人事制度構築など300社以上の企画提案を行ってきた。2011年に提言した「KAIKA経営」を主導し、現在はKAIKA Awardsの企画・運営を担うとともに、経営者の想いをコンセプトメイクすることや、各社の人事・組織領域を中心とした企画支援・業務フローのドキュメント化など(ビジョン・理念から中長期・短期戦略、人事制度・規程など)の支援を行っている。
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