Vol.4 働き方が変わるときの「組織姿勢」 ~コラム:働き方シフトで見えたこと~ 大橋さんに聞きました

Vol.4 働き方が変わるときの「組織姿勢」

先日、朝のラッシュ時に電車が事故・トラブルで大幅にダイヤが乱れ、会社に行けなくなる人が大勢出てきたというニュースがありました。TV局の街頭インタビューでは、「今日は会社に行けません!誰が責任取ってくれるんですかね。」「朝ニュースを見たので、1時間早く出てきたんですけどダメでした…。」と訴えるビジネスパーソンの映像が流れていました。
私は、大変失礼ながら「いや、そこまでして会社に行くことが重要なのか?」などと冷ややかに見てしまいました。そしてずいぶん以前、自分が新入社員の頃に(昭和な話ですが)「間に合った~」とオフィスに入ってきた課長が、席でゆっくりとコーヒーを飲みながら新聞を読むという牧歌的な風景を思い出してしまいました。

なぜ、こんなことを言いだしたのかというと、「会社に行く」という言い方をする人が結構多いように思うからです。「学校に行く」という言葉の延長でしょうか、「会社に行く」という表現をし、それが「仕事をする」という意味を含んでいるように思うのです。
学校ならば出席日数が足りないと卒業できないでしょうし、「行く」という物理的な行為にある程度は意味があることも多いかもしれません(いや、それでも出席した=勉強しているかというと必ずしもそうではありませんが…)。しかし社会人はそうではないですね。“出勤する”の英訳はgo to workであってgo to the companyは違和感があります。会社に「行くこと」は「仕事をする」ための手段であって、出勤それ自体が仕事をしたことにはならないはずです。

モノづくりなど会社や工場に出向かないと仕事にならない業種業態ももちろんあります。しかしそれにしても、会社に行くことがとても重要だというメンタリティーが強いのではないでしょうか。会社にいることが仕事をしていることの証左なのでしょう。そしてその根本的な原因は、暗黙的な組織の圧があるのだろうと思います。つまりマネジメントの問題であり、組織の姿勢だと思うのです。
ある会社では、マネジャーが部下に対して直行直帰を禁止していると聞きました。その理由を尋ねると「気持ちが緩むから」「組織全体の士気に影響するから」という話でした。また別の会社の例では、人事部門がリモートワーク(在宅勤務)を進めようとした際、役員や現場マネジャーから「どうやって働いていることを証明するのか?どうやってサボってないことを確認するのか?」という声があがったと聞きました。もし、この話を会社の社員が聞くと一体どう思うのでしょうか。よもや「仰る通りです!」という反応ではなく、むしろ信用されてないなと感じることでしょう。そもそも「働き方改革」の「働き方」の主語は社員のはずであって、会社が主語では「働かせ方改革」にしかなりません。

世に謳われている「働き方改革」に伴う様々な施策やITツールの類はあくまでもツールですが、その背景には組織の姿勢が垣間見えるのではないでしょうか。つまり、性悪説に立ったマネジメントが変わらない限り、働き方改革がその名の通り「改革」になることなどないのでは?と思うのです。

大橋 新 氏

大学卒業後に金融機関・教育会社、シンクタンクを経てフリーに。
ド文系で特別な技能や専門分野を持たず、かといって特別に優秀でもないアベレージ人材。
そんな大橋新が経験した働き方のシフトについて「働き方改革」をどのように捉え、どのように実践しているか言い散らかすコラム。

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