Vol.6 「見た目」のあたりまえ ~コラム:働き方シフトで見えたこと~大橋さんに聞きました

Vol.6 「見た目」のあたりまえ

本コラムでは働き方をシフトしてみると、世の中や自分自身の「あたりまえ」感覚が徐々に変化していることに気がついた、という目線で記しています。今回は「見た目」のあたりまえ感覚も変化しているものだなぁという気づいたことについて記します。

私の出身はそこそこの田舎にあります。先日ひょっこりと帰省した際に、平日の日中にショッピングモールを歩いてみました。私の事前の予想?では、主婦のおばさま達から「あら、あの人平日の昼間から私服で街中をウロウロして・・・無職かしら?リストラでもされたのかしら?」という、いくぶん奇異な眼で見られることを想定していました。平日の街中をスーツではない成人男性がぶらぶらしているのは珍しく見えてしまうという、昔の(1980年代くらいでしょうか)田舎のイメージを引きずったままに帰省したわけです。

ところが、実際に街に出てみると、予想に反して私と似たような格好で(服装のお洒落度合いは別にして)街中を歩いている人たちがたくさんいたのです。「あれれ?」という感覚になりました。私の昔のイメージ・・・つまり1980年代と現在の失業率はおおよそ2.5%〜2.8%程度で変わらないとすると、無職の人たちが格段に増えたとは考えにくい。
で、それ以外で考えられることを妄想してみると・・・

①土日は出勤で平日に休みの会社が増えた。出勤時間や出勤形態も様々選択できるようになった。
②私服で仕事をすることをOKとする会社が増えた。(私が見かけた人たちは仕事中だった)
③いわゆる定年後の人たちが増えた。そして最近の「定年後層」の見た目が若い。

特にリサーチをしたわけではないので、実際のところはわかりません。しかし(ちょっと大げさですが)上記の3つの妄想的な仮説をもったうえで、改めて周囲の行き交う人々を観察してみると、①②③のいずれかに、あてはまりそうな人たちがたくさんいるように思いました。特に今はリモートで(オフィスに出勤せずとも)仕事ができる環境が進んでいるのですから、都会も田舎も関係なく①や②に該当する人たちが増えるのも当然のことといえるでしょう。

もうひとつ、強調したいのが③です。定年後のシニア世代であろう人たちがアクティブに活動しているという実態です。よく見るとイベントの打ち合わせをしているグループや、街歩き?俳句?のような話をしているグループに出会いました。そして皆、明らかにひと世代前よりも若く見えるのです。
ふと某アニメ「サザ◯さん」を思い出しました。この番組は1969年(昭和44年)にTV放送がスタートしたとのことですが、お父さんである「磯◯波平」さんは54歳なのです。見た目から受ける印象として、もっとずっとお爺ちゃんのように感じていませんでしたか?今の時代の 54歳はまだまだ働き盛り人材といえると思うのですが、1970年代の日本では、どのような大企業であっても定年退職年齢は55歳というのが一般的でしたから、波平さんは定年直前の設定ということでしょう。
私は帰省すると、新聞広告のチラシやローカルTVのCMを“仕事の目線”で眺めるのですが、明らかに中高年齢層向けの、中古車・パチンコ・お墓・マンション・・・といった財・サービスの広告が目につきます。まぁそもそも眺めているメディア自体が中高年齢層向けなのですが。。。(ちなみに高年齢者等の雇用の安定に関する法では、高年齢者は55歳以上、中高年齢者を45歳以上となっています)

とにかく、人生100年時代といわれる今にあてはめれば、50代どころか60代も若い層です。「有名人/54歳」とWebで検索してみると、とても波平さんと同い年には見えない方々の名前があがってきます。「見た目」の若々しさだけではなく、早期退職を含めると50後半から60代もマーケットの大きな部分を占めているのだなぁ、と思い知らされたのでした。

大橋 新 氏(フリーコンサルタント)

大学卒業後に金融機関・教育会社、シンクタンクを経てフリーに。
ド文系で特別な技能や専門分野を持たず、かといって特別に優秀でもないアベレージ人材。
企業に所属してフリーに、本人が経験した働き方のシフトから、「働き方改革」をどのように捉え、どのように考えているか・実践しているか、を言い散らかすコラム。

ページトップへ戻る