株式会社明電舎 & 認定特定非営利活動法人コアネット 事例にみるKAIKA経営の実践

KAIKA Awards 2017ではKAIKA大賞2組織、KAIKA賞4組織、特選紹介事例7組織を選出いたしました。
こちらのコラムでは順次事例をご紹介しています。

KAIKA賞 株式会社明電舎 & 認定特定非営利活動法人コアネット
「小学生向けものづくり教室」

KAIKAポイント

明電舎が行っているものづくり教室は、CSR活動として創立110周年を契機に2007年度から始められている。記念事業としてのアイデア募集で多く意見があったものが、今回のプロジェクトであるものづくり教室であった。ものづくり企業として長い間認めてきてくれた社会への恩返しと、地域住民と直接触れあう場を作れないか、会社と社員が地域の一員であることを確認しものづくりの伝統を地域に継承することにつなげられないかというアイデアが多く寄せられた。

職業に関する出前授業や小学校向け「ものづくり・理科教室」などで実績のある認定特定非営利活動法人コアネットに具体的なプログラムについてのアドバイスを求め、共同で小学生に対するものづくり教室を実施することとなった。特徴は一般的に小学校児童を対象にして行われている陶器づくりや木工、粘土細工といった手作り教室ではなく、ブラックボックス化してしまっている電気発生や回路といったものについての理解と、ものづくりを体験させるところにある。道具を与えるだけではなく、自らが手を動かし工夫する力を引き出して、ものづくりの一端に触れることを狙いとしている。活動は明電舎の事業拠点がある自治体の小学校が中心で、体験児童数は8,600名を超えている。インストラクターは若手社員が中心で、準備段階から実際の活動まで手弁当で行っている。

取り組み概要

授業は、小学校6年生を対象に、学校の授業時間2時限(1時限あたり45分、休憩時間を含めて100分)を使う。4~5人の一つの班を明電舎のインストラクター1名が担当し、コアネットのインストラクターが全体をサポートする形で進めている。インストラクターが児童たちの質問に答え、ものづくりを支援する。機材不良や機材が壊れるなどのトラブルに備えている。

開始挨拶に引き続いて作り方のルール(なにかを尋ねたいときは手を挙げさせる、聞かれない限り教えない、完成まで手を出さない、わからない場合は説明書のとおり作業すれば完成すると伝える)を説明した後、児童たちは作り始める。まず部品の入った箱を開けてパーツを取り出し、部品が正しく入っているかを確認するところからスタートする。組立てと飾り付けの後、体育館で完成ぶりを確認する。インストラクターは原則として見守るだけである。出来上がった後、児童たちは基本の遊び方などは無視して、さまざまに独自の工夫とルールで遊びだす。時間が来たら挨拶と振り返りアンケートをとって終了である。インストラクターを務める若手社員にとっても、教えるという基本動作は新鮮で刺激があるようで、子供たちとものづくりに取り組むことが後輩指導につながっている。

審査委員会コメント

創業110周年事業として、子供たちに「ものづくり」の楽しさ・喜びを実感してもらえる「ものづくり教室」 を企画・実施し、10年間に亘り継続してきた実績は高く評価できる。10年の実施過程で作り上げた取り組みは、①2時間で「ものづくり」の楽しさ、喜びを実感できるノウハウ(ローコストでモーターキットを組立てるマニュアル、インストラクター、仕掛けなど)に形として出来上がっている。

継続できた要因は、①NPOとの連携、②「細く長く」というトップの判断、③企業DNA(真面目な社風や「ものづくりの心を楽しむ」という行動精神「MEIDEN CYCLE」)との一致だと考えられる。

120周年を契機に、二番目のプロジェクトとして中学生に向けた内容のものを取り組んでおり、活動の広がりという点で注目される。

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