株式会社セプテーニ・ホールディングス 事例にみるKAIKA経営の実践

KAIKA Awards 2017ではKAIKA大賞2組織、KAIKA賞4組織、特選紹介事例7組織を選出いたしました。
こちらのコラムでは順次事例をご紹介しています。

特選紹介事例 株式会社セプテーニ・ホールディングス
「一人ひとりが活躍できる社会の実現にむけたプロジェクトAI型人事システムを活用した地方学生向け『オンライン・リクルーティング』 ~交通費・宿泊費を一切かけず、エントリーから内々定までウェブで完結~」

KAIKAポイント

従来型のエントリーシート・適性診断・面接という一連の採用活動は、人事業務に多大な負荷を生じさせている。とくに最近の人手不足感が強くなる中で、年間を通じての採用活動を強いられることで、長時間労働と充足への採用人数目標達成に対する義務感も生じさせ、人事部門の労働環境が悪化しているといわれる。また本来的な人事の役割である、経営戦略を実現するための役割への視点が薄れることの要因ともなっている。採用活動を効率化させることは、人事部門の喫緊の課題である。株式会社セプテーニ・ホールディングス(以下セプテーニグループ)は人材データを活用・分析することにより、人事マネジメントの精度を高めている。採用活動に応用した、「オンライン・リクルーティング」には新しさとユニークさがある。活躍予測モデルをもとに定量的かつ客観的に判断するため、面接に慣れた自己PRの上手な学生ではなく、入社後に活躍する学生を見極めることが可能となった。職人技的で普遍性に欠ける面接官の勘や経験などに頼る面談が不要となるため、採用活動が定量・定性的となり、効率性も高まった。 オンライン・リクルーティングは、自宅にいながらパソコン・スマホだけで、内々定まで完結する仕組みである。東京以外で学ぶ就活生には負担となる交通・宿泊費やリクルートスーツなどの費用削減を可能にするとともに、エントリーシートで志望動機や自己PRなどを記入する必要もないため就活時間を短縮でき、学生の本分である勉強にかける時間を増やすことが出来る。

取り組み概要

セプテーニグループでは独自の人材育成の考え方をベースに、仕事と行動特性の適合を定量化することに取り組んできた。2009年から蓄積してきた約6,000名のデータを用いて活躍予測モデルを設計した。採用活動での取り組みとしては、応募者の「個性」、「取り巻く環境」、「行動」を中心とした情報、性格診断テスト・エントリー時のアンケート・経歴・選考プロセスでの評価など約100項目により、入社後の活躍度を予測して合否を判断している。統計的な目的変数を活躍度とし、採用活動上で得られるいくつかの内容を説明変数としている。選考通過者には、学生の住む地域に人事担当者が訪問し、直接会ってフィードバック会を開催している。会社への理解を深めるとともに、自身の思考行動特性を把握し、入社後のキャリアをイメージできるようにしている。一方、不合格者に対しても、いわゆるお祈りメール一本で関係を絶つのではなく、特性についての情報をフィードバックしている。オンライン・リクルーティングを開始後、地方学生のエントリー数は昨年対比で約2倍に増加するとともに、採用担当のプロセスマネジメント工数は十分の一になった。新卒採用者約100名のうち、オンラインのみで完結する採用者は約2割。地方学生の内定承諾率も上昇している。

審査委員会コメント

セプテーニグループはAI的に人事を評価している点に新しさ、ユニークネスがある。ただ単純な統計解析に近いものであれば、従来からも存在するが、応用形として地方の学生が、東京に出ることなく内々定まで進む点が優れている。

また、採用に関する業務の効率化を進めていくなかで、他社との共通課題に対応できる仕組みが出来上がってきたということに現実的な課題解決としての力強さがある。東京の人事担当者のワークロードが減っている点も評価できる。採用のプロセスにかける時間が減った分、ひとりひとりの学生と対話する時間が十分にとれるようになった、そこがプラスに働いている点も評価できる。

そもそもの強みは、経営層がリーダーシップを発揮して、人事に関する方向性を打ち出し人事部門が実現している。新卒を重視している経営方針との一貫性がユニークさにつながっている。採用の合理化・効率化が当初の主眼だったが、結果として、就活学生の持つ課題解決につながっているという点は注目に値する。内定者の満足度も高い。データ蓄積とそれを活用した徹底した人事マネジメントの運用という観点で高く評価できる。

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