株式会社ナカダイ 事例にみるKAIKA経営の実践

KAIKA Awards 2017ではKAIKA大賞2組織、KAIKA賞4組織、特選紹介事例7組織を選出いたしました。
こちらのコラムでは順次事例をご紹介しています。

特選紹介事例 株式会社ナカダイ
「多様な価値観と自由な発想で、廃棄物処分業からコペルニクス的に事業転換したナカダイ流マーケティングビジネスモデル」

KAIKAポイント

多様な価値観と自由な発想で社会に貢献するという理念と、捨て方をデザインし使い方を創造する会社というビジョンのもと、産業廃棄物処分業は捨てると使うを繋ぐ仕事、リマーケティングビジネスであると定義して活動を進めている。廃棄物は素材と捉え、使い方を創造し捨て方をデザインするリマーケティングビジネスを展開している。モノの流れの最適化により、廃棄物の新たな可能性を見出している。徹底した分別・解体作業による素材活用やリサイクル原料・代替燃料生産、そして中古家具のリユース市場を運営することでリサイクル率は99%を超えている。有価物の買い取りや施設見学、ワークショップ体験希望者を積極的に受け入れている。オープンな廃棄物処分場として、年間来場者数は1,000人を超える。協業としては、企業でのイノベーティブ、クリエイティブな発想法の研修、高校、大学での講義、建築家や大手百貨店、テレビ業界とのコラボレーションなども盛んに行っている。また社員一人一人がやりがいや充実感を持ちながら働くこと・家庭や地域との「ワークライフバランス」を取れる生活を促す経営を実践している。性別・年齢・国籍に捉われないフラットな人事制度で老若男女にチャンスも与えており、女性社員は4割を占めている。

取り組み概要

天然資源を採取・加工、製品を製造・流通・販売するなど、経済や社会の発展に必要な商品を供給する産業群のことを、動物の循環系で酸素や栄養分を運ぶ動脈と例えることがある。生産活動のダイナミックな動きを象徴している。これに対して生産・消費活動から排出・廃棄される不要物を回収し、再生利用・再資源化し、適正に処分する産業群のことを、動物の循環系で老廃物や二酸化炭素を回収する静脈産業と呼ぶ。静かにしかし確実に処理しなければ、活動が行えないことを表している。目につきにくい産業ではあるが、重要かつ必須の産業群である。

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参照「廃棄物処理の流れと行為」(公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター)

廃棄物処理・リサイクル業を中心とする静脈産業であるが、従来の廃棄物の高リサイクル率と低コストが最大の価値であった国内での産業の成長と拡大を前提とする体質から、合従連衡などもふくめて、再生可能エネルギー事業等へと事業多角化を進めるとともに、積極的に海外へ事業展開する企業も出ている。

こういった業界をめぐる大きな変貌の中でナカダイは、廃棄物にしない・廃棄物の活かし方を提案するビジネスを展開している。環境負荷低減のために、様々な処理技術やノウハウで、廃棄物そのものの削減を目標としている一方で、大量の廃棄物が発生することで事業を成り立たせている矛盾への対応である。分別・解体の技術やノウハウを使って、廃棄物から生み出す素材の質を向上させることで、その付加価値により売り上げが増えるクリエイティブな産業に変化させようと取り組んでいる。

審査委員会コメント

廃棄物業界の位置づけの再定義は、幹部だけでなく一般の社員にも浸透しており、自分たち自身が積極的に外部(業界外)と関わり、その中で情報やネットワークを得て、新たな価値を創造しようとしている姿勢、未知の壁を乗り越えて個々が成長している様子も感じられる。

経営者と社員の日頃のコミュニケーションにおいて、オープンでフラットな関係性が約束されている。その機会が言語的コミュニケーションの訓練の場でもある。意見やアイデアに質問が投げられ本質が探求され、連想した意見から別の発展が生まれることで、外部の利害関係者と関連付けられイノベーションが生まれている。社会への貢献、組織活性化、個人成長という可能性がある。多くの社員の意識を変え、行動を変え、新たな価値創造に向けて着実にステップを踏んできていることを評価できる。一般の社員が自由に思ったことを言える風土であることが印象的である。

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