株式会社富士通アドバンストエンジニアリング 事例にみるKAIKA経営の実践

KAIKA Awards 2017ではKAIKA大賞2組織、KAIKA賞4組織、特選紹介事例7組織を選出いたしました。
こちらのコラムでは順次事例をご紹介しています。

特選紹介事例 株式会社富士通アドバンストエンジニアリング
「『コミュニケーション・ホスピタリティ』を活用し『人・企業・社会』を豊かに変えていく職場活性化の取組
~これからの時代を生き抜く、新たなエンジニア人材創出に向けて~」

KAIKAポイント

当該部門であるSI推進本部は、全社のエンジニアおよびプロジェクトのサポート部門で、技術レベルは高く、経験豊富な中高年齢のベテラン社員が多い部門である。ただ2013年度・2014年度の社員満足度調査結果は、全社の中で下位に甘んじていた。そこで本部長主導で、2014年4月から2年間は「まずはやってみよう」の精神で職場活性化活動を推進していった。その後、2016年度から、幹部社員の意識・行動変革、各部署の職場活性化活動、「和・おもてなし・協創」人材育成の3つの軸で人と人とのつながり・関係性を重視し、「ホスピタリティ」 の考え方と行動原則を活用して、これからの時代に生き残っていくための組織作り、人材作りを目指して、「ホスピタリティ改革活動」に取組んだ。その結果、職場全体のコミュにケーション・関係性、社員のモチベーションが良くなり、職場の雰囲気も明るくなっている。社員自身が組織の活動を理解し、その活動に主体的・積極的に参加するようになってきている。職場活性化活動を推進し、社員満足度調査でも上位の結果となった。

社員の自律性向上、積極性向上観点では、組織の目的・ビジョンへの理解と自身への落とし込みがすすみ、自主的な教育受講、定期的なオフサイトミーティングへの参加および組織ビジョン作りへの参画、自ら率先した業務プロセスの改善と推進などが見られるようになった。

取り組み概要

当初の活動においては、対象となっている社員の多くは、抵抗感をもっていた。根気強いセミナーとオフサイトミーティングの結果、活動を支持する社員が多くなっている。

当初の二年間では、全幹部社員向けに傾聴などを学ぶ「ファシリテーションセミナー」を開催し、幹部主体の職場活性化検討会と各部署でのオフサイトミーティングを立ち上げている。セミナーは、本部長も率先して参加した。また、部署をマネジメントしている幹部社員の意識と行動変化が必要ということで、幹部向けに本部長が、「まず我々から変わろう」、「メンバーと信頼関係を構築しよう」、「会議を事前にデザインし、目的・ゴールを明確にしよう」とメッセージを発信した。部署単位のオフサイトミーティングは、幹部社員を含む全メンバーの参加が奨励され、役割や職位を離れ、自己紹介・仕事で困っていることなど、互いを理解する場を作り、職場の課題出しやありたい姿を描いて、活動テーマを決め実践するというストーリーで進めた。

2016年に本部長が替わったが、基本的な部分は変えず、コミュニケーションとホスピタリティ・箱の法則(自分の箱に閉じこもって自己正当化している限り成長はないという考え)を重視した活動へと見直して継続的に活動を進めている。

「箱」や「ホスピタリティ」といった考え方が社員のなかで定着するにつれて、人との接し方、最終的には社会との向き合い方についても意識の変化、とくに有能感や主体性を持った姿勢へと変化は見られている。また対象となったSI推進本部では生産性が高まるなどといった実績が出ており、関係する他部門にも波及している部分もある。少なくとも、セミナーとオフサイトミーティングに参加し続けている個人に成長が見られる。

審査委員会コメント

セミナーとオフサイトミーティングといった手法を組み合わせるだけで、これだけの成果をあげられたことに驚かされる。ベテランエンジニア社員が集められたSI推進本部という環境に見事に適合した事例だと思われるが、同種の状況は他社にも見られるものである。本事例をお手本として社会全体に広く波及させていく価値がある。

エンジニアがコミュニケーションを重視した取り組みを行っているが、特にシニア世代に変化が生まれている点で、業界でも注目され得る良い取組みである。社会への普及、波及の可能性がある。

オフサイトミーティング自体は親会社から導入したものである一方で、独自に「箱」という考え方、また「ホスピタリティ」という考え方を導入し、社員が実際の会議中に普段づかいするまでに浸透させたところは力強さとユニークさが感じられる。同時にメンタルに不安のある社員の人たちに対しても同様のアプローチで活性化が行われているという点も注目された。

ページトップへ戻る